最初に、やきのりの缶のそばに部品を置いて、配置を考えます。真空管のソケットの向きは、入力と出力のピンと Line IN / SP OUT 端子の方向が合うように決めます・・・というのは嘘で、6BM8 がかっこよく見える方向に決める!という、全くオーディオ・マニア的でない方法で行います!まあトランスの配置は、大きさや重さでかなり制限されますので、必然的に決まりますが。(写真はクリックで拡大します。)
そしてドリルで穴あけですが、やきのりの缶は普通のアルミシャーシより柔らかい感じでしたので割と楽でした。ただ、上に書きましたように、塗装面を下にして穴あけなどをすると塗装が剥げてしまいますので、注意が必要です。(といってもこんな失敗をするのは自分だけかも・・・)
出力トランスは、皆様やっておられるように上下2つを結合しました。こうすると、やきのりの缶の高さぴったりになります。トランスとかケミコンとか大きい部品が多いので、結構缶の中味は窮屈になります。トランスは外に出しても良いのかもしれませんが、見た目はともかく、重心が上に上がるのと、端子が剥き出しのトランスの場合には感電には要注意です。このあたりは真空管ならではの怖さを忘れてはなりません。本当はケミコン用の袴も買ったのでそれを使っても良かったのですが、場所がないので缶の奥のほうに両面テープで張りました。また、整流用のブリッジダイオードも電源トランスに両面テープです。
さらに、FETの2SK30の基板も安易に両面テープです。このあたり、わかる人にはわかる、地獄の改修のバームクーヘンを思い出していやなことはいやなのですが、蓋をすれば忘れる?ということで安易にそうしています。2SK30の基板は音量用の2連VRのそばにテープで貼ります。(後で書きますが、最終的には2SK30は使わなくなりましたが・・・)
半田づけは順番にやっていきますが、ほとんど配線し終わったあとで1箇所だけ忘れていた配線の場所が、缶の一番奥だったということがありがちですので注意が必要です。(これも自分だけかも・・・)特にGNDの引き回しを忘れないよう注意します。あとは一点アースの原則とかありますが、このあたりあまり詳しくはありません。まず最初に電源部だけを組んでおき、正常に電圧が出てるのを確認してからアンプ側を配線した方が安心できます。あと、ヒーター配線は交流をそのまま使っていますので、良くよじりあわせて同相雑音を抑制する必要があります。
いよいよ電源オンです。これは最大の山場です。但し、スピーカーは本番用のものではなく、万一壊れてもいいように安物を買っておくほうが良いです。アキバの部品買出しの際にそれも買っておきます。(ラジオセンターの2階で買った気がしますが・・・)入力にCDプレーヤーからの Line OUT を入れて、音を聞きながら入力のVRを上げていきますが、大概歪んだ音がかすかに聞こえるだけです。その状態でFETのところにある半固定VRを回していくと、突然音が大きくなりかつきれいに聞こえてくるはずです。そこが良いポイントなのですが、同時にカソード抵抗両端電圧を測り、その値をカソード抵抗値で割ってカソード電流を計算し、最大定格の50mA以下になるようにします。35mAが理想のようですが、なかなか
そのとおりにはなりません。こちらではきれいに聞こえる範囲が既にカソード電流50mA以上でしたので、電源トランスのタップを変更して+B電圧を下げました。結局なんとか38〜40mAで落ち着きました。テスターのみですとこれで調整終わりですが、オシロスコープがあるともう少し様子を見ることができます。完成後音を聞いてみると、音量が小さいときはきれいなのですが、音量を上げるとクリップしてしまい、意外とそれが早いのです。8Ωのダミーロードを作りスピーカーの代わりにつなぎ、正弦波を入力して音量を上げて波形を見てみます。やはり今一で、電圧振幅がそんなに大きくないのに波形が歪んでしまいます。三極管部の帰還抵抗の値を変えてみたり、五極管部のカソード抵抗をいじったりいろいろしましたが、やはりダメです。試しに2SK30のところのVRをたくさんまわしてカソード電流を70-80mA位流すと急に波形がきれいになったのですが、これでは球が死んでしまうのですぐに止めざるを得ません。