岩通SS-5702修理


数年前にYahooオークションで買った、岩通のシンクロスコープ(普通名詞ではオシロスコープ)SS-5702。だんだん使っているうちに、なかなか輝線が出にくくなってきた。電源ONして30分位しないと輝線が出ない。そして、ついに全く出なくなった。というわけで、ちょっと修理するかということに・・・。

Webで調べると、こちらのサイト様がいらっしゃる。まさに機種も同じだ。さらにオークションで手に入れたというのも、輝線が出ないという症状まで同じだ。おお、これはありがたい。どうやら、ケミコン全交換と、ハンダの劣化に注意なのか?

まずはバラしてみよう。
この右の方が高圧部だから、輝線が出ないとなるとこの辺りが怪しそう。

もしケミコン全交換となると、こういうのも全部交換するのか。手持ち無いからアキバで買ってこないとな。カネもかかるし時間も労力もかかる。

これが高圧部のアップ。実は、しばらく前に、やはり修理しようと思ってバラして、そのときに全部掃除しておいたのだ。だから数字が読めるくらい綺麗。で、その時は回路図を起こそうと思って、当然面倒で挫折したんだが・・・
結局その時は、挫折したままで何もいじらずに終わった。(>_<)

でも、なんか臭いなと思った。というのは、時間がたってから死ぬって、どうも熱関係っぽい。生きたり死んだりするって、どうも接触不良っぽい。で、ちょっと眺めると、どうもブラウン管のソケットが目に付く。

う〜ん・・・ 接触不良のオーラ が強く漂っている。。。

人間のオーラは見えないが、(^^♪ こういうオーラは何となくわかるかも。。。??

これが一番オーラ (^^♪ が強い、ソケットのアップだ。この金色に見える接点。ちょっとマトモに動いているとは考え難い。しかし、今の時代ブラウン管ソケットなんてどこにも売ってないんだが・・・
一応、ブラウン管の足に直接半田付けてみたが、やはりハンダがはじかれて駄目だった。ソケットの呪縛からは逃れられないようだ。

まずはICソケットで実験したが、全然ダメだ。ブラウン管の足のピンの方が太すぎるし、足一本だけ挟んでも全然安定せず全く使えない。というわけで、真空管の 6BM8 アンプを作ったときに余分に買っておいた真空管ソケットがあったのを思い出した。
まずはこのように、ソケットの外側のネジ穴固定用金具をニッパーとかペンチでバラす。

次はいきなり、鉄アレイだ。コンクリートの地面に真空管ソケットを置き、

鉄アレイで叩き潰すんだ!!WWWW

一見メチャクチャに見えるが、実はこれが一番よかった。だって、ソケットのプラスチックが頑丈でペンチとかでは破壊できないし、熱でも無理だ。それで、鉄アレイで叩き潰すと、金属部は展性があるので生き残るが、硬質プラスチックの部分は脆いので粉々になるというわけだ。こういう石器時代の知恵は馬鹿にできない。残念ながら、一番快感の、叩き潰す場面の写真は無い。楽しくて、写真どころじゃなかったからな。(^^♪

破壊活動の成果がこれ。砕け散った破片から、小さいソケットを探して何とかかき集める。どっかに飛んでいってしまうのもあるから、多めに真空管ソケットを壊さないといけない。

かき集めたソケットのピンの部分を、ブラウン管の足に嵌めて見た。さすがに真空管用のピンなので、ハマリ具合は良い。でも、周辺が空間なのでグラグラして不安定だ。

全部付けてみた。

いきなり謎の物体。これは、ボール紙だ。ボール紙をラジオペンチで、適当な幅でジグザグに折る。

そしてこのように、ブラウン管の足の各ピン毎に、ボール紙を挟んでいくのだ。ここがキモだ。
これをやることによって、グラグラしていたピンが少々安定し、さらにショートの危険を回避できる。ボール紙じゃなくて普通の紙では無理だ。剛性が不足しているし、半田付けの時に熱で焦げてしまう。
あと、試してはいないがセロテープの類は止めたほうがいいだろう。すぐに劣化して、またそれが故障の原因になりそうだ。

配線してみた。100 kΩの抵抗を忘れないようにしよう。

力を加えすぎるとすぐに破壊されるので注意。なにしろ危ない橋を渡っている適当工事だ!

この、J501 と J502 のジャンパの配線を忘れがちなので注意しよう。

配線が終わったので、背面の板を固定してみた。

電源SW、ON。

やった!、輝線が出た。ちゃんと電源投入後数秒でこの状態に。完全に復活だ。
ケミコン交換せずに何とか直ったみたいだ。でも誰でもそうだとは言い切れないので、余裕のある人はケミコン交換もした方がいいとは思う。


無事にケースをかぶせて、ラックにしまってからスイッチを入れてみた。このように平和に波形が出ている。

終わり。

(2007.11.7記載)






2009.3.28
ちょっと前から、またまたラスターが出なくなった。
もう一回ばらしてみる。ブラウン管の足のところの真空管ソケット部分をちょいちょいつついてみると、一回は直った。しかしまた出なくなる。なので、もう一回全部の足のソケットを一本一本取って、接点復活剤でメンテナンスしてみた。その結果、やはりラスター出ず。そろそろ潮時みたいですね〜。実は、少し前に秋月の\32,000激安デジタルオシロを買ったこともあり、この岩通シンクロスコープとは残念ながらお別れすることにしたのであった。。。








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